複音ハーモニカの詳細

複音ハーモニカの概要

複音ハーモニカ
トンボ NO.1521 特製トンボバンド
SUZUKI SU-21Humming

もっともポピュラーなハーモニカ

 生涯学習の現場で、採用されているハーモニカは、殆どがこのハーモニカです。
上下2段になっておりますが、基本的には上下の穴を同時に咥えて吹きます。上下の穴それぞれに同じ音のリードが入ってますが、若干ピッチにズレがありうねりを生みます。多くの方がそれが心地よいと思われていて愛好されています。
 派生音の処理は半音違いのハーモニカ等で処理をいたしますので、複数本を同時に持ち演奏するのが、このハーモニカの基本的な演奏スタイルとなります。
 私共の教室でも多くの方がこのハーモニカを学んでおられ、一つの穴に一つの音が配置されているため音が混ざりにくい特徴があります。

最初はC調から始め、複数本必要になる

 学ぶにあたり最初はハ長調(C調)のハーモニカを持ちその半音処理で嬰ハ長調(C#調)のハーモニカを使用いたします。そしてハ長調(C調)の平行調(同じ調号の長調と短調の関係)であるイ短調(Am調)のハーモニカを学んでまいります。
 この3本(C・C#・Am調)を初心者3本セットと呼んでおり、複音ハーモニカを学ぶ際最初に揃えておきたいのはこの3本がよろしいと思います。
 次にAmの同主調であるA調、C調の半音処理にB調、C調のドミナントにあたるG調、G調の同主調のGmなど揃えていくとあっという間に8本入りケースでは入りきらなくなります。

メンテナンスが容易に出来るのは樹脂製

 ハーモニカは、口をつけるものですので清潔にしておきたいものです。
 樹脂ボディのハーモニカは、ビス止めされているのでドライバー1本でバラバラにすることができます。リードに唾が付着し、音程を下げる原因になりますが、リードプレートを洗うことにより綺麗に落とすことができます。もちろんボディも水洗い可能です。代表的なモデルはトンボ・NO3521プレミアム21SUZUKI SU-21Hummingなどです。

木製は音色が好まれる

 木製ボディは樹脂製と比較して、倍音を適度に吸収してくれるため落ち着いた音色となり、多くの方に好まれます。但し木製ですので個体差は多少ありますし、吹く際に、少なからず水分を含んだ息を入れますので、ボディが水分を吸って変形(膨らむ)いたします。
 また、リードプレートが釘で打ち付けてありますので、簡単にはずすことは出来ません(素人では不可能に近い)。カバープレートの水洗いは可能ですがボディの水洗いはできません。

自分に合ったハーモニカを探そう

 私がハーモニカ習いたての頃、先生の音があまりにも素晴らしいので、先生と同じモデル(トンボ・NO.1521 特製トンボバンド)を用意してレッスンに行きました。ところが、先生の音とはほど遠く「私のハーモニカは先生のとは違うようです。」ってこぼしたら「そんなはずあるかい。貸してごらん。」と私のハーモニカを手にして、吹いてくださったらなんと先生のいつもの音がするではないですか。当たり前のことですが、楽器より吹き手の差の方が大きいと言うことを思い知らされました。私の先生は世界的ハーモニカ奏者・森本恵夫先生でしたので、その差も歴然としたものでした。
 その頃20代だった私は、教室の誰よりも体力があり(殆どの方が60代でしたので)息も強く大きく、しかもコントロールも出来ていないので、よく鳴るハーモニカだと軽く吹いてもフォルテになってしまいました。その後、息のコントロールがある程度できるようになった私は、適度に抵抗感のあるハーモニカの方が表現力豊かになりました(現在私はトンボ・NO.1921-S イワサキソロを使用します)。逆に息が弱く小さい方には、軽く吹いてもよく鳴るハーモニカの方が表現力が豊かになります(SUZUKI・SU-21W高級ハミングなど)。