ハーモニカの種類
一口にハーモニカといっても様々な種類があり、奏法や楽譜などが全く違うので注意が必要です。
メロディを奏でるハーモニカは大別すると二種類に別けることが出来ます。
ひとつは「ダイアトニックハーモニカ」でもう一つは「クロマチックハーモニカ」です。
ダイアトニックハーモニカは、音階上(全音階)の音を配置したハーモニカです。「ハ長調(Cメジャースケール)」であれば「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド(実音だとC・D・E・F・G・A・B)」が配置されているハーモニカを指します。従って通常は派生音(ドとレの間の音など)のリードは配置されておりません。
それに対してクロマチックハーモニカは半音階(クロマチックスケール)が配置されているハーモニカを指します。すなわちピアノの白い鍵盤も黒い鍵盤も全て1本で出すことが出来るハーモニカです。
それ以外にはアンサンブルで使用するハーモニカもございます。
代表的なハーモニカ
左から複音ハーモニカ、クロマチックハーモニカ、10穴ハーモニカ。
ダイアトニックハーモニカの種類
ダイアトニックハーモニカの代表的なものとして「複音ハーモニカ」と「10穴ハーモニカ」がありますが、それらは別ページにて詳細を説明いたします。これらのハーモニカは曲の調子に合わせてハーモニカを持ち替えます。ハーモニカで通常使用されるダイアトニックスケールは長音階(メジャースケール)と短音階(マイナースケール)です。
複音ハーモニカの詳細
10穴ハーモニカの詳細
教育用ハーモニカ
教育現場で使用されているハーモニカの中にもダイアトニックハーモニカがあります。シングルハーモニカ(1つのリードで1つの音を奏でる)で一段の物や、教育用複音ハーモニカがこれに該当いたします。以前は幼稚園や小学校低学年で数多く採用されてましたが、現在では鍵盤ハーモニカ(ピアニカ・メロディオン等)にその座は奪われました。
クロマチックハーモニカの種類
クロマチックハーモニカにもいくつかの種類がありますが、代表的なものはスライド式クロマチックハーモニカです。これは1つの穴に4つの音が配置されている欧米で主流のハーモニカです。一般的にクロマチックハーモニカというとこれを指し、最近は著名な演奏家も数多く出てきました。
それ以外には、複音ハーモニカと同様の配列をしたスライド式クロマチックハーモニカ(トンボ・ユニカ)というものがあります。これはあまり一般的では無く教則本等もありません。また、昔(昭和40年代〜50年代)教育現場でリード合奏が流行したとき使用されていた教育用シングルハーモニカのクロマチックスケールモデルもあります。
スライド式クロマチックハーモニカの詳細
教育用シングルクロマチックハーモニカ
前述の教育用ハーモニカと同様にリード合奏で使用されていたハーモニカです。2段になっていて上の段が下の段より半音高くなっているハーモニカです(トンボ・NO.S-50)。
昭和20年代に生まれた方々が小学校の時に吹いたハーモニカっていうとこのハーモニカを指すことが多いようです。小学校でも複音ハーモニカを採用していたところもありますので全てがそうとは言い切れませんが。このハーモニカも鍵盤ハーモニカ(ピアニカ・メロディオン等)に取って代わられました。
アンサンブル用ハーモニカの種類
ハーモニカによるアンサンブル演奏を最近よく見かけるようになってまいりました。デュオ、トリオ、カルテット、クインテットやもっと大規模なアンサンブル、他の楽器を含めたアンサンブルとその形態は様々です。最小ユニットはもちろんデュオになるわけですが、これは相当技量のある2人で演奏しないと寂しいものになります。メロディー2パート(二重奏)やメロディーパートと伴奏パート(有名なところではBom×Boa)によるデュオになります。
トリオ、カルテット、クインテットでは三重奏、四重奏、五重奏よりも、メロディーパートが1〜3パートそれにバスハーモニカとコードハーモニカが加わる形態が殆どです。
大規模なアンサンブルでは、バス、コードに加え木管楽器やアコーディオン等他の楽器なども取り入れたものまであります。
ここではバスハーモニカ、コードハーモニカやパイプホルンなどの詳細を説明いたします。
バス・コードハーモニカの詳細
ホルンハーモニカ等
前述のメロディを奏でるハーモニカより長く大きいシングルハーモニカがあります。音域によりトンボですとソプラノパイプホルン、アルトパイプホルン、スズキですとソプラノシングルハーモニカ、アルトシングルハーモニカと呼ばれております。その独特で大きな音は大規模なアンサンブルでは欠かせず、ソロで愛好している人達もいます。